英文法における「継続」とは。
英語では「継続」なる言葉が文法の色々なところで出て来ます。
それを上手くまとめている本は私はお目にかかったことがありません。
ここで池田塾塾長・池田浩己が僭越ながらまとめさせて頂こうと思います。
「継続」は3つに分けられます。
①「習慣の継続」(例)私がここ5年間はずっとポチの散歩をさせています。/その選手は18歳以来ずっとウィンブルドンでプレーしています。
②「状態の継続」(例)彼はここ2日間病気で寝込んでいる。/彼は一週間ずっとふさぎ込んでいる。
③「未完了の継続」(例)私の息子は3時間ずっとTVゲームをしている。/彼女は2時間前からずっと電話でおしゃべりをしている。
「継続」を考えるとき、この3つに分けて分類するようにして下さい。
各々が次のようになります。
①「習慣の継続」→完了形(have
p.p.〜、has p.p.〜、had p.p.、will have p.p.〜)
②「状態の継続」→完了形(have
p.p.〜、has p.p.〜、had p.p.、will have p.p.〜)
③「未完了の継続」→完了進行形(池田塾では未完了継続形と呼んでいます。
have been 〜ing、has been 〜ing、had been 〜ing、will have been 〜ing)
この3つで99%網羅できます(例外は一番最後で説明します)。
※口語も含めると④があります。④については下に詳説してありますのでお読みください(この④に関しては帰国子女で翻訳家の神戸市のHさんからのご指摘を参考に加筆させていただきました。ご指摘ありがとうございました!)。
各日本文に対応する英文は:
①私がここ5年間はずっとポチの散歩をさせています。→I have walked Pochi these 5
years./その選手は18歳以来ずっとウィンブルドンでプレーしています。→The player has played at
Wimbledon since he was 18 years old.
②彼はここ2日間病気で寝込んでいる。→He has been sick in bed these 2
days./彼は一週間ずっとふさぎ込んでいる。→He has been down for a week.
③私の息子は3時間ずっとTVゲームをしている。→My son has been playing a video game for 3
hours./彼女は2時間前からずっと電話でおしゃべりをしている。→She has been gabbing on the phone for
2 hours.
このようになります。
よく日本の文法書には「進行形に出来る動詞の継続は完了進行形」という描写を見かけました。
これは正確ではありません。
私がここ5年間はずっとポチの散歩をさせています。/その選手は18歳以来ずっとウィンブルドンでプレーしています。で考えてみましょう。
これらは習慣の継続なのでI have walked Pochi these five years./He has played at Wimbledon since he was 18.が正しいことになります。
現在の習慣を表す文章の述部は動作動詞の現在形ですからとなります。
「私はポチの散歩を(習慣的に)しています」ならI walk Pochi.「その選手はウィンブルドンでプレーを(習慣的に)しています」The player plays at wimbledon.となります。
これらの継続ですからhave(has) p.p.となり、元の習慣の文章に~ingがないのですからhave(has) been~ingではないことになります。
現在の習慣を表す文章には、述部は現在形を使います。決していわゆる進行形ではありません。
状態も、現在形で考えてみれば分かります。
「彼は病気で寝ている」ならHe is sick in bed.
「彼はふさぎ込んでいる」ならHe is down.
これらの継続(〜だったし、今もそうだ)なのでhave p.p.、hasp.p.を使うのです。
状態とは、ジェスチャーとして表せないもの、動きとして表現できないものです。
上記はそれにあたります。
一方未完了(一旦〜してまだ終わってない)の継続は「一旦〜してまだ終わっていない」=〜ing、「だった」(=been)し、「今もそうだ」(=have、has)ということでhave
been 〜ing、has been 〜ingになります。
「私の息子は3時間ずっとTVゲームをしている。」ならば「一旦TVゲームをし始めてまだ終わってない(未完了)」なのでplaying、それを3時間ずっとやっているのだから、「やってた」=been(「過去」分詞)し、「今もやっている」=has(現在形)なので述部はhas
been playingとなるのです。
また、「彼女は2時間前からずっと電話でおしゃべりをしている。」も「一旦おしゃべりを始めてまだ終わってない(未完了)」なのでgabbing、それを2時間ずっとやっているのだから、「やってた」=been(「過去」分詞)し、「今もやっている」=has(現在形)なので述部はhas
been gabbingとなるのです。
④について:しかし、習慣の継続の文章であるのに、I have been studying Spanish/ for 5 years.のように述部に未完了継続形で言うことがあります。
これを正確に分析すれば「私は5年間、一旦スペイン語を勉強し始めてまだ終わっていない(=studying Spanish未完了)だったし(=been過去分詞)今でもそうだ(=have現在形)」となり、5年間、毎日毎日いつもいつも寝食を忘れて勉強していることになります。
本来はそこまですることはありえないわけで、I have been studying Spanish for 5 years.はありえない文章ということになります。
しかし、毎日のかなりの時間を割いてスペイン語を勉強していたら、毎日毎日いつもつも寝食を忘れて勉強しているような気分だったら・・・
そのような時はI have been studying Spanish for 5 years.は可能な文章になります。
ネイティブは「継続の強調」と考えるようです。
正確には「未完了の状態がずっと継続しているような気分の文章の述部に使える」というべきものです。
未完了継続形は、本来は習慣の継続には使えないのですが、上記のような心理状態の文章の述部には使えます。
なのでさきほど、「私が5年間ポチの散歩をずっとしている」の場合でも、「息子がポチを拾ってきて自分で散歩をさせる、と言っておきながら犬に飽きてしまい、結局親が散歩を5年間ずっとさせている」などという状況はどうでしょう。
毎日のポチの散歩はこの可哀想な親にとってはもしかしたら「5年間ずっとスペイン語を勉強している」と同じような気分かもしれません。(来る日も来る日もいつもいつも私がポチの散歩をしている・・・)
そういうときは「未完了の継続のような気分」の文章です。ですから未完了継続形が使えます。
「その選手は18歳以来ずっとウィンブルドンでプレーしています。」でも同様です。いつもいつも毎年出場して元気にプレーをしているその選手の姿を見ていたら・・・「その選手は一旦プレーをしてまだ終わってない(=playing未完了)という姿を去年も一昨年も・・・見た(=been過去分詞)し、今年も見ている(=has現在形)」ということでその選手のプレーする姿に対して「未完了の継続のような気分」ですので、その文章の述部には未完了継続形が使えます。
未完了(一旦~してまだ終わってない)は溌剌とした姿と結びつくことが多い表現です。毎年毎年溌剌としたプレーを見ていたら、未完了(~ing)だった(been過去分詞)し今年もそうだ、ということで現在未完了継続形を使うことが可能になります。
受験に関しては上記の3つの分類で大丈夫ですが、口語対策としてこの4番目を加えると:
①「習慣の継続」→完了形(have
p.p.〜、has p.p.〜、had p.p.、will have p.p.〜)
②「状態の継続」→完了形(have
p.p.〜、has p.p.〜、had p.p.、will have p.p.〜)
③「未完了の継続」→完了進行形(池田塾では未完了継続形と呼んでいます。
have been 〜ing、has been 〜ing、had been 〜ing、will have been 〜ing)
④「未完了の継続のような気分」(習慣的行動の強調)→完了進行形(未完了継続形)have been 〜ing、has been 〜ing、had been 〜ing、will have been 〜ing
となります。
さて、冒頭で言った例外ですが、「彼は子供の頃3年間中国にずっと暮らしていた」のような場合になります。
これをよく*He had lived in China /for 3 years /when he was a boy.としてしまう人が多い。
確かに継続なので、完了形(過去の継続だから過去完了だろう、という考えでしょう)にしたくなる気持ちもわかります。
しかし、had p.p.はhadが過去形で、p.p.は過去分詞なので過去が2個あるために、過去の過去を表します。
しかし、「彼が中国に3年間ずっと暮らしていた」のと「彼が子供だった」のは同時制のことですよね。
決して過去の過去ではない。
こういうように、文中の過去形と同時制の場合、継続であっても過去の過去を表すhad
p.p.は使えず、過去形で表すのです。
最後に更にトドメでまとめますと、「継続は3つ(口語なら4つ)に分けて考えよう。しかし、過去の継続では、過去の過去ではおかしいときには過去形にすることがある」というのが継続の全貌です。
勉強頑張って下さい。